一休のひらめきをご贔屓くださるあなたさまへ
こんばんは。一休のひらめき 円山カヲリでございます。
7月7日、七夕の夜。
当初予定していたご来店のお客様に、無理を言って予定をずらしていただいてまで、参加した講座でございます。
「眠れていますか?科学者と睡眠について語る夜」
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構長の柳沢正史教授が、日比谷図書文化館・日比谷コンベンションホールでご登壇と聞き、喜び勇んで駆けつけました。
講演前半では、睡眠研究の世界的権威である柳沢先生から、最新の研究成果を交えながら睡眠について解説。
後半では、どのようにすれば、良い睡眠がとれる生活を送ることができるのか、質問に柳沢先生が答えてくださる対話のお時間でした。
講演の冒頭で「そもそも、睡眠ってどんなイメージがありますか?」との先生の問いかけがありました。
円山は速攻で、「睡眠=至福の極み」と思ったのですが、柳沢先生は、3つに分類されました。
【睡眠の持つイメージ】
①必要悪→眠らなくて済むならそうしたい
②幸せ→眠りこそ至福
③謎だらけ→先生にとっては謎に包まれた研究対象
そうかぁ。ふむふむ。
睡眠って、聞くだけで、こんなに各人でイメージが違うんですね。
そうして、実は、眠らない動物というのはいないわけですが、人間の睡眠って、他のほ乳類と比してこんな違いがあるんですよと教えてくださいました。
【人間の眠りの特徴】
①1つの種の中では、個体差が少ない。
②1つの種の中では、量がほぼ一定。
③深く長く続けて眠る能力があるのは人間だけ。
とくに、①、②についてコントロールされていることは、未だに謎だと柳沢先生。
その睡眠の「謎っぷり」を楽しそうに、「機能」「調節」「障害」の3点からご説明くださったわけですが、お話は睡眠で注目されている「オレキシン」に関してが中心となりました。
これまでの眠剤とは一線を画す、オレキシン受容体拮抗薬、
さらに、機構で研究が進んでいるオレキシン受容体作動薬についてのお話は大変興味深くうかがいました。
(「オレキシンそのもの」は皮下注射しても脳まで届かないため(脳には血液脳関門があるから)「オレキシンそのもの」を入れ込んでいくということはできないんですね。ゆえに、受容体拮抗薬や受容体作動薬という手法をとるわけです。)
難しいお話は、ここでは一旦横に置いて、いわゆる一般的な睡眠のお話として、これキモだよなぁと思った柳沢先生のお言葉。
行動誘発性睡眠不足症候群(要は睡眠時間足りていなくて、昼に眠い)の方々へのメッセージです。
「平均的な睡眠時間は7時間。実際にとられているお時間が5ー6時間。圧倒的に time on bed の時間が少ないでしょ。万難排して、騙されたと思って、1週間、1時間多く寝てみてほしい。寝起きが変わるし、翌朝・お昼のパフォーマンスも変わります。それで自分で、調整してみるといいですよ。」
本当に、ごもっともでございます。
「万難排して、1時間多く寝てみる」
・・・そのためには、必要ないことをカット、断捨離していくしかない(^_^;)大事なコトに集中です。
実は、一休のひらめきで仮眠について行った1000人アンケートでも、なぜ昼に眠いのか、お答えいただいた結果で、複数回答ですが24.1%の方が、「趣味に忙しいから」と回答されています。(データは近日中に公開します!)
アンケート結果から、残業や育児で、という回答も目立ったのですが、意外と趣味にもお時間を費やしていたりしますね。翌朝、すっきり目覚めて、午前からお昼ぐらいまでのゴールデンタイムをバリバリ活動するためにも、削るところは削って、1時間多く寝てみるが、びっくりするくらい、ハッピーな毎日につながるのかもしれません。円山も、今日から始めてみます!!
そうして、このことも、まだ、あまり広く知られていないことかもしれませんが、欧米では、中高生は遅く始業させることが、運動になっているということなのです。(スタート・スクール・レイター)
理由は、思春期である中高生は体内時計が2時間ほどずれるという観点から。体内時計のリズムにあわせることが、より効率が良いからというのが理由なんですね。結果、実際、学業がしっかりとアップしたという結果が伴っていて、この運動が広がっているということなのです。
自身の事も、思い返せば、確かに、中高生のときって、夜は遅くまで起きていられるし、朝は眠かったなぁ(笑)スマホはなかったけれど、夜通しで本も読んでいましたのものね、あ、朝だみたいな。ということは、そんな体内リズムを無視して、未だに朝練なんかで、中高生を早起きしなさいと、たたき起こしているなんていうのは、愚の骨頂だということでしょうね(・・・おっと、言い過ぎましたか^^;)
中高生は、朝眠くて当たり前。
そうして、素敵に齢を重ねれば、朝は早起き。
体の声に従えばいい。
本当は、とても、シンプルなんですね。
後半は、みなさんからの質問にお答えしてくださるお時間でした。
・メラトニンサプリの効用はあるのか?
・ベッドに入っても眠くないけれどどうすればいいのか?
・睡眠時無呼吸症候群の注意点は?
・室内の環境の調え方は?快適温度、湿度は?
・夢はなぜみるのか?
いずれも、柳沢先生のご回答を知りたい方は、サロンでお伝えしますので遠慮なく聞いてくださいね。
もしくは、柳沢先生の所属されているこちらのサイト内のブログでも、気長に待っていただければ回答が掲載されるようにしますとのことでした。(今、拝見したところ、ブログは頻繁に更新されている雰囲気はありませんが(笑))
眠りの謎を真摯に追い求め、探求し続けている睡眠基礎研究の世界的第一人者でいらしゃっる柳沢先生。
直接お話を伺うことのできる、非常に貴重で有意義な時間でございました。
睡眠について、正しい情報が、決して煽られることなく、行き渡り、日々健やかに元気に活動できることが、ノーマルであること。そんな健全な世の中になりますように!
七夕の夜は、そんなお祈りをする日になりました♪
それではまた、お便りします。
一休のひらめき 円山カヲリ