こんにちは。
一休のひらめき トップセラピストのこうです。
COVID-19による自粛期間中、多忙でなかなか時間が取れなかった方も、興味のあるものへ、インターネットを使ったオンラインレッスンに取り組まれた方も多かったのではないでしょうか。
私は、このたび以前より興味があった「和精油」についてネット学習をする機会をいただきました。
代表の円山はもとより、同僚のトップセラピスト田中も、新しいことを学ぶのが大好き!そうして、何よりも、一休のひらめきのお客様は、勉強熱心で、多趣味の方ばかり!入店したてのときは、お客様のお話をうかがいながら、みなさまの圧倒的な知識量・質の高さに、驚いたことを思い出します。一休のひらめきでサロンワークをするようになってから、お客様にもお喜びいただけるように、常に情報をアップデートすることの大切さを教えていただいています。
そのようなわけで、今回は、「和精油」について学んだことを、これまで培ってきた私のアロマの知識を織り交ぜながらご紹介したいと思います。(ラストでは、参考文献と和精油を扱っているウェブサイトのリンク集を挙げました。ご参考になさってくださいね。)
アロマオイルは、これまで、そのほとんどを海外からの輸入に頼ってきていたという現状があります。そのような中、とても嬉しいことに、ここ数年、アロマオイルを使用したアロマテラピー(精油を使った、自然療法)が日本にもすっかり定着することで、国内でも自生する植物を使ってアロマオイルを作る企業様が増えてきました。これは、有名なお話なので、アロマを勉強されている方であれば、みなさんご存知のこととは思いますが、世界でアロマ・精油を最も使用しているのは日本人と言われています。だからこそ、アロマを地産地消できる可能性が出てきたことは、本当に素晴らしいことですし、私には、これから確実に「和精油」がブレイクする!という予感があります。
『和』とは?!
この字には、なごやか、やわらげる、のどか、調合する。そして平和の和。
日本国産精油は、『和の香り』『和アロマ』『和精油』と表現されます。
ニッポンメイドや、日本精油とでも言うことは可能で、わざわざ『和』とつけるのは、自然に向き合い八百万の神を尊び、森羅万象、自然を愛し共に生き、自分と自分の周りの環境と共に調和しながら生きてきた日本という国の叡知が『和』に込められているからでしょうか。
それでは、「和の香り」というと、みなさんどんなイメージがするでしょうか。
香りを嗅いだ途端に、懐かしい風景や記憶が蘇えりタイムスリップする経験をする方も多いのではと思います。
ここで、少し、わたし、こう自身の和の香りとの出会い、思い出をご紹介いたします。
小学校時代です。それは、お習字の教室に通っていたときのことでした。教室の扉をガラガラと開けると、まず入って目に飛びこんでくるものはお仏壇、そうして、お線香の香りに迎えられます。階段を上るのですが、壁には、ずらずらとオリエンタルな人々がエキゾチックに並んでいる写真が飾れていて、それを横目に見ながら、ミシッ、ミシッ、と床鳴りする木造の階段をあがった先に、お教室のお部屋がありました。
幼いながらも、階段に登って行く時は気持ちがスッと引き締まり、異空間に入り込むような不思議さも感じていました。
正座をし、筆を動かすその動きに没頭する時間は、特別でわたしにとって大好きな時でした。当時、その習字教室には、親しく心許すことができるほどの友人はいなかったので、ちょっぴり疎外感と心細さを感じていたのですが、そうした心許ない気持ちを書に向かわせて目の前に集中させてくれたのは、お線香の香りと墨汁の香りが入り交じる空間でした。
空気が澄んで、背筋がピンっと正される時。
思い返すと、はじめて和の香りを心地よいと感じ取っていたのは、子どもの頃だったようです。わたしにとっての和の香りは、「懐かしさ」と「切なさ」、「凛とした空気」、「清らかな心で在る」といったキーワードが、植物の香りや、成り立ちはまったく違えど、どこか情緒的に訴えかけるもの、通じるものがあると感じています。
先にも触れましたが、日本のアロマセラピーは、輸入された海外の精油がベースとなっているのですが、近年、益々国産・和のアロマも注目されるようになってきました。
こうは、西洋のアロマテラピーを勉強してきたのですが、ある時友人からプレゼントされた、アスナロ精油の香りに西洋のアロマとはまた違った心地よさにとても惹かれてしまいました。
「ああ、好きだなぁ」と、口から自然と、こぼれてしまう和の香り。
山に入った時に肌に触れる空気、澄んだ日本の自然や山林の美しさを香りから力むことなく体と心にすっと染み入る奥深さにとても惹かれていきました。
それからは和の精油を、積極的に自身で購入したり、アロマショップで香りを試してきました。
たくさんの和精油を一度に試すことはなかなか難しいことでしたが、アロマエキスポというアロマのお祭りで和精油コーナーが開催されたことがありました。日本のアロマテラピーの草分け的存在であり、和精油開発にも携われてこられた重松浩子先生がそのコーナーを担当されていました。
たくさんの和精油の香りに魅入られたことはもちろんでしたが、その精油が作られた過程や、生産者の方がどう作ったのか熱心な思いを伝えてくださったのです。
とても感動したことを今でも覚えています。
その感動がより一層、その精油の魅力が倍増し愛着を沸かせてくれるようになりました。
「この精油を作った方はどんな方なのだろう?」
「この精油はどんな思いで作られてきたのだろう?」
と、より一層思い馳せるようになりました。
その時から、以前にも増して、アロマ(精油)を一滴、一滴、大事に大事に扱い、使用するようにもなりました。
そうして、このたび、セラピーNETの重松先生の『感じて知る和精油講座』のネット講座を受講しました。和精油への愛情溢れるお話に感動し、いつかこんな風に和精油についてお伝えしたり、とことん知りたいと思いました。
重松先生の『感じて知る和精油講座』では、精油の使用方法や示唆に富んだお話がたくさんありました。その中でも印象に残ったことはこのようなことでした。
☑国産の和精油はまだ発展途上であり、まだまだデータも少ない
☑発展させていくことは、わたしたちアロマを使う人達が担っていけること
みんなで国産精油を作っていける可能性がある
☑「一滴に込められた想い、情熱、挫折や困難を知ること」、作られた精油のストーリーを受け取りそこから、自分のストーリーを紡いでいくことが大事
☑自分のためにどう使いたいか、誰かのためにどう使っていきたいのか、和精油を使いこなしていくのには自身の経験を積んでいくことが必要、五感をフル活用して!
☑国産精油は成分の安全性への取り組みを確認することがしやすく、生産地を訪ねることができる
☑自然を無駄にしない日本の素晴らしい創意工夫や精神があれども、精油を生産されている方々はそれだけでは、生計が立ちいっていかない方も多い。
日本の農業を営む方々は高齢化が進んでいるが、精油生産には無農薬栽培という大変な手間がかかっていることを想うと、素晴らしい香りの精油を手に出来ることができる豊かさの後ろには、必ず誰かの想いや情熱、困難、生活があることを忘れてはいけないということを、今一度改めて考えさせられました。
国内で生産されているものを購入し使っていく責任、和のアロマに寄せる想いがこれからの和精油の辿っていく道、また日本の美しい自然をどう守っていくかを握っているのだと思います。和のアロマが好きな人が増えればそれだけ協力し合うこともできると思うと希望が湧いてきます。
それでは、まず初めに、今回は、わたしこうの好奇心と愛に満ちた!(笑)独断と偏見で(#^^#)和アロマの紹介をさせていただきます。
まだまだこうも勉強中のため、知らないこともたくさんあります。
きっとこの文章を読んでくださっている方々は、和の香りが大好きでお詳しい方も多いのではないでしょうか。どんな使い方があるのか、こんな良い香りがあるよ!等、たくさんの方とシェアさせて頂くことができれば、とても嬉しいです。まだまだ未知の可能性があるということ、これからの和のアロマが盛り上がっていくことに、わたしも微力ながらでも参加していきたいという気持ちです!
◉福岡県産のベチバー
インド原産のベチバーが日本で栽培!
インドでは、虫除けや衣服に纏ったりして使われています。
日本での栽培は少なく、2012年の北九州の豪雨災害で甚大な被害を受けた福岡県八女市星野村で、土壌流出防止のためにベチバーが栽培されたそうです。
根がしっかりと深くおりるベチバーは傾斜地や、堤防、土どめに植えられています。
香りは暑い国の情景がとてもよく似合う濃いどっしりとしたとちらかというと重い香りです。好き嫌いがとてもわかれやすい香りです。
なんとも言い難い土っぽさと、甘い香りは徐々に良い香りへと変化していきます。
香水の保留に役立たれていますね。
抗菌作用も強く、肌荒れした時も塗っておくとすぐ治っています。
保湿効果も高く肌荒れている時にも優しく助けてくれます。
この福岡県産のベチバー精油はこうが今まで出会ったベチバーの中で1番の香りでした。
香りを試した時にあまりにも良い香りで一瞬でノックアウトされてしまいました!
こうはオイルに希釈して、お腹のトリートメント、気持ちを落ち着かせたいときは胸のあたりに塗ったり、夏場は手首に塗ったりして楽しんでいます。
キャンドルに火を灯し、静かに自分を感じる時間やマッサージをする前にも使うことが一番多いです。
柑橘系の精油をブレンドしてもとても良い香りです。
ベチバーは稲科で、精油は根から抽出されています。
「稲」いねの語源は、「生命の根」、「息の根」が語源だとも言われるそうです。
稲作は日本にとって生命を維持する、根幹を成してきたもの。
そして、アーユルヴェーダの7つのチャクラからすると、ベースチャクラ•根もとのチャクラに対応しています。
ベチバーのこの香りに心惹かれるのは、自分の生命の根をしっかりと見つめさせてくれるからなのだと思います。
どんな時でも受入れてくれる懐の深さと、愛情、ベチバーの甘く水分を含んだ土のような香りは、揺るぎなさ、力強さ、信頼、源へ、自分が本来の場所へ戻っていくような感覚を抱かせてくれます。
http://sanosa-japan.com/
SAnoSA(サノサ)国産ベチバーを使用したハーブウォーターの生産販売をおこなう福岡県八女市
◉淡路島産のなるとみかん精油
農薬や化学肥料を一切使わずに育てられたなるとみかんは、ネロリ(ビターオレンジ)の変種で、瀬戸内海で一番大きな面積の島、淡路島で生産されています。
現在では、生産されている方の高齢化が進み生産はわずかになっているそうです。
実は昨年、購入しようとした時は手に入れることができませんでした。
今年初めて「なるとみかん」を手にすることができて、とってもありがたきことでした!
柑橘類の精油は揮発速度が速く、香りもすぐ感じられなくなる印象が強かったのです。
しかし、なるとみかんを垂らしたムエットは3日経っても香りが新鮮に感じられるほどしっかりしていました。驚きでした。
鮮烈なその香りは意気揚々、キッパリ、サッパリとした決意、前向きさのイメージです。
まるで搾りたてのみかんジュースを口に含ませた時のような幸福感。
気分がすぐれない時でも、気分をスッと上に押し上げてくれます。
「大丈夫よ!」と語りかけてくれるようです。
窓を開けて新鮮な空気と、なるとみかんが合わさった香りを胸いっぱいに吸い込み一日を始められる幸せ。
こうのお勧めは、ジブリ映画•魔女の宅急便の曲を流しながらの芳香浴です。物語りとなるとみかんのポジティブなイメージが重なり合うようでした!
朝や昼間に使用されることをお勧め致します。
◉クロモジ黒文字
黒文字は、アロマや和精油好きの方であれば詳しい方も多いのではないでしょうか。
日本では、昔からクロモジの蒸留が行われていたそうです。
戦前から作られていたのは青森県産の黒文字。最盛期の明治時代には、伊豆に20ヶ所以上も蒸留書があったそうです。
生産地によっても、香りが多種あり選ぶのが楽しい精油でもありますね。
(こうの持っているものは青森県産黒文字の木部を水蒸気蒸留方で採った精油です。)
立ち登ってくる鮮やかな香りは、うっとりとした気分に浸らせてくれます。
しかし、香りを試すたびに違った表情が現れることもあります。
フローラルな香り、スパイシーさ、心落ち着く香りとどんどんと変化していきます。
色に例えるとレインボー。色んな表情を見せてくれる、使う人によってまた状況によってまったく変わっていくのではないかなと想像しました。
こうは無香料シャンプーと、無香料ボディソープに使用してみました。
自宅で高級感と、高貴な気分をお手軽に味わうことができます。
黒文字は血流促進作用があり、お風呂から上がった後でも体がポカポカで発汗作用をすごく感じました。
自分自身を甘やかす愛でる時間に使いたい香りです。
◉ヒノキ
ヒノキの原産地は日本で、日本の重要な林業樹種として江戸時代から栽培されていました。
抗菌効果があり、水に強いヒノキは神社仏閣建設に用いられていました。
最高の建材として法隆寺には1300年以上前の世界最古のヒノキによる木造建築が現存されているそうです。
日本三大美林」の一つには木曽ヒノキがあります。
(長野県の木曽谷から岐阜県の木曽川上流地域に渡る森林地帯で生産されているヒノキ)
やはりヒノキ風呂、ヒノキのまな板等をご想像される方が多いのでは。
こうは祖母と一緒に入ったヒノキ風呂が思い出されます。
独特の香りが好きでいつか自宅にヒノキ風呂を作りたい!などと思ったことでした。
ヒノキは抽出部位(木、枝、葉)によって香りも成分も異なります。違う精油を嗅ぎ比べても面白いでしょうね。
ヒノキの香りは素足で歩いた時に感じる木の温もりや、和室を思い起こさせるような心地よさがあります。そして気持ちいい〜と脱力してしまいます。
一方で一滴だけでも、空気をガラッと変えてしまうほど香りが立つ圧倒的な存在感。
スラリとまっすぐ天に向かって伸びるヒノキそのものの姿も相まって、突き抜ける、霧が晴れていくような清々しさが、まるで森の中での深呼吸をしているような爽快感を与えてくれます。
首から上にかけてのオイルトリートメントにお勧めです。
肌に馴染ませた時に、スーッと内側から解れていくような感覚を楽しめます。
目を覚まさせるような清涼感がお仕事前や、読書をする時、集中したい時切り替えにとても役立つ精油です。
※日本三大美林
青森ヒバ、秋田スギ、木曽ヒノキ
―注意事項
香りが強いので少量使用。
皮膚刺激がある場合が有り。
◉高野槙
原産地は日本で、日本固有の常緑針葉樹、世界三代美木にと名を連ねています。
空海が開いた真言密教の聖地高野山には高野槙が霊木とされ、多く見られます。
弘法大師が仏前に枝葉を備えたと伝えられ、今でも供養物に高野槙が添えられているそうです。
高野槙には男性的な力強さを感じる濃い香りがします。
鬱滞除去、静脈強壮
海を感じたり、山を感じたり、なにか壮大なものの中に抱かれているような感覚があります。
鬱々とした気分を取っ払い、呼吸を整え自分自身の軸をしっかりとらえ前に進んでいきたい時に、力強く後押ししてくれる香りになると思います。
決断力、新しいチャレンジをしていく強さが欲しい時にどうぞ!!
芳香浴では、柑橘系精油と一緒に使うと穏やかに香ります。
無香料シャンプーに混ぜて使うと、育毛にも◎
高野槙の葉が使用されたお酒もあるそうです。
https://sotokoto-online.jp/376
ぜひとも試してみたいですね!
※世界三代美木
ヒマラヤスギ、高野槙、アロウカリア•アロウカーナ
―注意事項
妊娠中の使用に注意
今回は5つこうのお勧め和精油をご紹介させて頂きました。
お勧めさせていただいた以外にも、素晴らしい取り組みや素晴らしい香りの和精油がたくさんたくさんあります。
わたしよりも遥か長い年月生きてきた植物からの恩恵を受けることを思うとき、過去から現在を結ぶ果てしない時の流れが紡がれてきたことに圧倒されてしまいます。
香りを感じるその一瞬に、一滴にそれだけのことが詰まっていることを!
現在は産地に行くことなどはかないませんが、和のアロマは香りだけでなくわたしたち人間が生命の繋がりの中で生かされていることを思い出させ、遠く会うことができない人や土地、自然への想いを馳せることのできる豊かな時間を与えてくれているようです。
和の香りによって、和が広がり人々が繋がっていけるような世界になりますように。
みなさまがそれぞれ、和のアロマとステキな出会いができますように。
参考図書
木田順子
『あたらしいアロマテラピー辞典』
高橋書店/2018.8.5発行
稲本正
『日本の森から生まれたアロマ』
世界文化社/2010.9.15 発行
ご参考までに…
精油ブランド
国産ベチバー
SA no SA
http://sanosa-japan.com/
淡路島産アロマオイル
Suu
https://suubotanical.jp/
日本各地で生産されている精油を厳選
wacca
http://waccawacca.com/
日本の香りを大切にするブランド
一十八日
https://www.18th.co.jp/about/
トレーサビリティ、エコロジー、フェアトレードを商品開発に掲げる
グリーンフラスコ
http://shop.greenflask.com/
ニオイコブシの精油生産、世界初
yuica
https://www.yuica.com/
ゆずのフェイスマスクシートが最高でした。
生産者と使う人をつなぐ
WANOWA
https://www.wanowa.co/kokuzoyuzu
エコロギー四万十
http://eco-shimanto.co.jp/project/essentialoil.php
ノトノカ
http://notonoka.net/
石垣島月桃園
http://www.gettou.net/
屋久島の香り
やわら香
http://yawaraca.shop-pro.jp/
白神アロマ研究所
http://aroma.shirakami.gr.jp/
ビアフランカ広島
https://villafranca-hiroshima.com/
それでは、またお便りします。
一休のひらめき トップセラピストこうきょんひ